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2020
2月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:1891
ナイス数:160
2月は10冊読めず、低調。
しかし読んだ本は面白い本が多かった。
昨年あたりから靴を作ることに興味を持っている。
何冊か手製靴の解説書は読んだが、Twitterでフォローしている靴師のZinryuさんがお薦めしていたので購入して読んだのが本書「手縫い靴のすべて」。
刊行は2004年。
伝説の靴職人・関信義氏による製作写真付き。
まず特筆すべきなのは、革靴のパターンの製作方法を類書にないほど丁寧に解説している。
類書だと、できあがったパターンを元に製甲・釣り込み・底付けを行うという流れなので、バターンから起こしたいと希望する人にとってはありがたい内容だ。
そして、製甲・釣り込み・底付け・仕上げまでの製作工程は上にも書いた靴職人・関信義氏による写真付きで解説されている。
手製靴の代表的な製法であるハンドソーン・ウェルト製法だけでなく、マッケイやステッチダウン、オパンカ、ノルウィージャンといったかなりマニアックな製法も紹介されている。
惜しいのは、写真の解像度が粗く、やや見づらいことくらいか。
本書はAmazonで購入したのだが、2004年刊行にもかかわらずパリッとした新品同様のコンディションで届いた。
また、謎なのが、通常の書籍や雑誌ならあるはずの奥付(著者・出版社や印刷所の記載があるページ)がないこと。
オンデマンド出版か自費出版なのか…?と首をかしげている。
もう1冊紹介したいのが、作家・黒木亮のデビュー作である「トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)」。
邦銀の英国支店に勤務する今西と、彼の元同期で米国の大手投資銀行に転職し荒稼ぎしている龍花、二人の対照的な金融マンの視点で、国際金融市場で繰り広げられる丁々発止の闘いが描かれる。
国際協調融資(シンジケート・ローン)の主幹事(トップ・レフト)を射止めるための駆け引きや泥臭い事務手続きなど、自身が元国際金融マンである著者の経験に基づくであろう描写は、かなり専門的な部分もあるものの、リアリティがあり読み応えがあった。
また、邦銀の腐った組織にうんざりしながらも必死に大きなビジネスをまとめようと奮闘する今西と、その邦銀で若い頃虐げられて転職し、投資銀行で莫大な資産を稼いだ今でも、古巣に憎しみを抱いている龍花の対比が印象的だ。
老舗になる居酒屋 東京・第三世代の22軒 (光文社新書)
読了日:02月06日 著者:太田和彦
紳士靴完全バイブル
読了日:02月09日 著者:
ひとりぶんのスパイスカレー
読了日:02月09日 著者:印度カリー子
CLASS ACT(クラス・アクト)世界のビジネスエリートが必ず身につける「見た目」の教養
読了日:02月13日 著者:安積陽子
「ル・マンジュ・トゥー」谷昇のおいしい理由。フレンチのきほん、完全レシピ (一流シェフのお料理レッスン)の感想
フレンチを自宅で作ってみたい・・・でもイタリアンなどと比べても材料や工程が多くて大変な印象。だったのが、このレシピ本は目からウロコでした。本格的なフレンチレストランで出るような皿ではないけれど、フレンチの本質(特に火入れの仕方)を抑え、材料も最小限に抑えたレシピ。まずはポークソテーを作ってみたけれど、とても美味しくできました。他の料理も作ってみます。
読了日:02月16日 著者:谷 昇
手縫い靴のすべての感想
前から気になっていたが、TwitterでZinryuさんがオススメしていたので思い切って購入。届いてみてびっくり、出版社の記載もバーコードもない。オンデマンド出版というやつか…?内容は、革靴のパターンの作成方法にはじまり、製甲・釣り込み・底付けから仕上までを伝説の靴職人・関信義氏の写真付きで解説する。ハンドソーンウェルト製法だけでなく、マッケイ、ステッチダウン、オパンカ、ノルウィージャンなど様々な製法が写真付きで解説されており、「手縫い靴のすべて」と呼ぶに相応しい1冊。
読了日:02月21日 著者:佐藤幸吉
肉炒め 毎日頑張っているあなたへ。とにかく簡単に作れるレシピです。の感想
「肉炒め」というタイトルですが、実際には肉野菜炒めのレシピ本。主となる肉の具材別(豚・鶏・牛)にレシピが載っていて見やすい。肉の下ごしらえは必須と書かれていて「マジか…」となった。いくつか作ってみたけれど、たしかに簡単に作れて美味しい。砂糖を使うレシピが多いのが少々気になったかな。
読了日:02月23日 著者:堤 人美
死ぬまでお金に困らない力が身につく25の稼ぐ本の感想
お、いつもの千田本とはテイストが違う、書評本。過去にも書評本は2冊ほど出しているそうだが、それらとは違う本が紹介されている。直接的にお金を稼ぐための本というより、長期的にお金に困らないためのマインドセットや基礎学力を養うための本だな。哲学の本が多いのは、それだけ人類の英知が詰まった学問だという事なのだろう。いまある積読本を減らしたら、紹介されている25冊を読んでみたい。
読了日:02月26日 著者:千田琢哉
トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)の感想
1990年代後半の国際金融市場を舞台にした経済小説。邦銀でエリート街道を歩んでいるものの、腐った官僚的組織に疑問を抱いている今西。同じ邦銀時代に散々泥水を啜らさせれるような扱いを受け、古巣への復讐心を抱きながら投資銀行に転職して荒稼ぎする龍花丈の対比が印象的。シンジケート・ローンの組成を巡る金融ビジネスの丁々発止の描写はさすが著者自身が元国際金融マンなだけある。それぞれ再出発することになった二人のたどる結末までも対照的で、特に龍花は・・・なんともやるせない。
読了日:02月29日 著者:黒木 亮
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