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2022
1月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2566
ナイス数:927
1月もあっという間に終わり、もう2月。先月も読みやすい本が積読からなくなったため、12月に引き続き読書は捗らなかったが、面白い本にも出会うことができた。
1月を振り返ってみると、いわゆるマネー本が多かった気がする。
やはりここ最近の自分の関心事だからだろうか。もっとも、前からこの手のジャンルはよく読んでいるのだけど(笑)
1月に読んだ中でも最も響いたのは、我ながら意外だったのだけど、与沢翼・著「お金の真理(宝島SUGOI文庫)」だった。
与沢翼というと、何年か前にSNSなどで「秒速で1億円稼ぐ男」などと騒がれていて、胡散臭い男だな・・・と思った記憶しかない。実際、本書にも情報商材に手を染めていたことが書かれていて、自分の記憶にあるのも当時の彼だったのだろう。
しかし本書を読んでみると、がらりと彼のイメージが書きかえられてしまった。
彼は20代の頃に経営していたアパレルの会社を倒産させてしまったものの、その後情報商材ビジネスで荒稼ぎし、過去のイメージにあったように欲望に身を任せた生活を一時期送っていたそうだ。しかしそれも長続きせず、税金の滞納により差し押さえを喰らってしまい、2度目の挫折を経験することになった。その後、日本を離れてドバイなどを拠点とし、現在は投資家兼個人事業主として純資産80億円(執筆時点)を保有しているそうだ。
彼のイメージが変わったというのは、現在の与沢氏は会社などの組織を持たず、過去のしがらみを断ち切って活動していること、また派手なイメージとは真逆に、自分一人で月に使うお金は日本円にして3万5000円程度と、かなり禁欲的な生活を送っているそうだ(家族などに使うお金は別)。
与沢氏がどうしてそのように変わったのか、本書では過去の経験・失敗とその反省を中心にお金に対する哲学が語られている。
読んでいて、欲望が身を滅ぼす恐ろしさや人間関係のもたらす害、世の中に対する冷徹なまでの物の見方は刺さるものがあった。というのは、僕は彼とは比べるべくもない小規模な純資産しかないけれど、彼が身をもって体験してきたことのミクロ版のような体験を僕もしてきたからだ。
一つ一つの教訓というのは決して目新しいものではない。けれど、天国と地獄の両方を味わった与沢氏の言葉だからこそ出る説得力を感じた。
読み終えたばかりだけど、すぐにまた読み直してしまった一冊だった。
勝間式 金持ちになる読書法の感想
2022年1冊目。勝間和代さんの著書は超ロジカル家事や超ロジカル料理、超スローライフなどちょくちょく読んでいるが、読書について書かれた本は久しぶりだな。読書自体は長いこと生活の一部になっているので読書のススメ的な箇所は今さら感があるが、翻訳書がオススメだとか、オーディオブックやフォトリーディング(実は過去に挫折して懐疑的だった)については参考になった。自分自身、過去10年を振り返ってみて読書&実践によって健康改善&ダイエットに成功できたと感じているので、金持ちになるための読書と行動は意識していきたい。
読了日:01月03日 著者:勝間 和代
お金の減らし方 (SB新書)の感想
森博嗣さんの別のエッセイを前に読んだときにも感じたが、世間一般とは正反対の価値観をお持ちのようだ。必要な物ではなく自分のほしい物を買う、趣味は他人には見せびらかすものではない、売ることを前提として物を買わない、お金を減らしたかったら借金をしろ、など。何かがほしい、と思っても、本当にそれは自分自身の欲求なのか?他者に承認されたいからではないのか?と問い直すことは必要かもしれない。
読了日:01月08日 著者:森 博嗣
企業価値評価 第6版[下]―――バリュエーションの理論と実践の感想
ようやく下巻も読了。上巻より微に入り細を穿つトピックを扱っている。必要な資本が皆無に近いビジネスの評価方法や、事業のベスト・オーナーはライフサイクルの段階によって変わってくるという点が面白かった。/誰も将来の業績を正確には予測できないから企業価値評価など無意味、という意見もあるが、本書を読み、付属のスプレッドシートで投資先企業の評価を試してみて、不確実性を承知した上で妥当な企業価値の範囲というのは算出し得るし、企業分析・価値評価に取り組む意味はあると感じた。
読了日:01月14日 著者:マッキンゼー・アンド・カンパニー,ティム・コラー,マーク・フーカート,デイビッド・ウェッセルズ
緑陰深きところの感想
70を過ぎて大阪でカレー屋を営む三宅紘二郎は遠田作品最高齢の主人公だろう。兄の名前で届いた葉書で積年の恨みが再燃し、九州は日田にいる兄を殺しに、中古のコンテッサを見つけて向かおうとするが…。彼を追いかけて同乗することになった青年リュウと偏屈な老人・紘二郎のかけ合いが軽妙でするする読める。過去の三宅家での許嫁との駆け落ち騒動、そして痛ましい事件による紘二郎に積もり凝り固まった後悔や恨みを、若いながらも重すぎる人生を送ってきたリュウの今の生き様が溶かしていき、切ないけれども心地よい結末だった。
読了日:01月17日 著者:遠田 潤子
実践Vim 思考のスピードで編集しよう!の感想
以前は単行本で読んだが、手軽に参照できるようにKindle版を買って再読した。Vim独特のキーバインドやexコマンド、移動、置換、マクロ、検索、パターンマッチングなど様々なTipsがあり、一度や二度ではとても覚えきれない。またちょくちょく読み返したい。
読了日:01月20日 著者:Drew Neil
ひと目でわかる Windows Server 2016の感想
長らく積んでいて、Windows Serverもとっくに次のバージョンが出てしまっているが読了。サーバーOSというとLinuxのイメージがどうしても強かったが、社内システムのようにクライアントOSがWindowsなら、そりゃこっちの方が使いやすいよねと。内容としては初心者向けでスライド資料のようにスクショつきで丁寧に解説されていてやや冗長だが、記憶域スペース機能など、こんな機能があったのかという学びもあって案外ためになった。
読了日:01月27日 著者:天野 司
お金の真理 (宝島SUGOI文庫)の感想
何年か前にソーシャルメディアなどで「秒速で1億円稼ぐ男」と騒がれたときは胡散臭い男だな…と思っただけだったが、昨日書店でたまたま手に取ってパラパラめくってみてビビッときて購入。めちゃくちゃ面白いし、与沢翼という人物のイメージが変わった。自己破産など2度も大きな失敗を経ても執筆時点で80億円の純資産を築いた彼が自分の失敗と人生から培ったお金に対する考え方はとても真っ当だと思うが、一般人にはむしろ耳が痛い人が多いかもしれない。これは繰り返し読みたい本だ。
読了日:01月30日 著者:与沢 翼
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