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2016

2016年7月の読書まとめ

7月はペースダウン

2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:6075ページ
ナイス数:838ナイス

7月は新潮文庫の100冊中心だったので1日1冊とはいかなかった。コンパイラの本とかLinuxデバイスドライバのオライリー本とかも読んだが、正直一度流し読みした程度では頭に入りませんね。当然ですが。

海底二万里

ジュール・ヴェルヌの「海底二万里」は500ページ級の文庫上下巻構成ということもあり、昔児童文学全集か何かで読んだことはあったのだけど、読み終えるまでに時間がかかった。しかしワクワクするような海底探索、多種多様な海洋生物の描写は実にいきいきとしていて、19世紀の作品とは思えないほどだった。

面白いなと思ったのは、冒頭で巨大不明水中高速移動物体の正体について議論されているとき、潜水艦の可能性が挙げられながらも真剣に検討されず、巨大クジラかイッカク類という線で最終的に意見がまとまってしまった点。21世紀の現代では100メートル級の巨大生物の可能性の方が検討すらされないだろうな(笑)

7月に読んだ本一覧

美しい星 (新潮文庫)美しい星 (新潮文庫)感想
図書館本。自分たちを宇宙人だと思っている大杉家の四人家族、というのを読者視点で見れば滑稽極まりないのだが、宇宙人という立ち位置から地球人の平和や戦争、幸福、政治といった話題についての思想論とも読める。文章は三島由紀夫らしく美しい。羽黒たち、円盤を見て宇宙人だと思い込むも、人類に対して憎悪しか抱かない三人が大杉家と好対照。
読了日:7月1日 著者:三島由紀夫
新潮文庫の100冊2016新潮文庫の100冊2016感想
今年も新潮文庫の100冊読破に挑戦中。冊子は今年の分を数冊フライングで読んでから手に入れたけど…。パラパラめくってみて、あれ?全部読んだことある本の紹介ばかりじゃん!…と思ったら、間違えて2015年のを手にしてましたorz 公表前までの既読は109冊中79冊。残り30冊からのスタート。昨年の100冊に入るかな?と思って読んでいたら入らなくて悔しい想いをした何冊かが今年の100冊に入っていてうれしい!
読了日:7月1日 著者:
SNS信仰祭SNS信仰祭感想
Kindleで読了。オフ会で会った方の出したばかりの短編小説。SNSと学校内のいじめ、思想活動団体という、それぞれなら最近では割と見かけるテーマを組み合わせて、いかに人がSNS上の表面的な評判に左右されるかを描いている。紙の本にして50ページほどの短い文章ながら、主人公と彼女との距離感、過去の苦い経験を糧にした現在の行動をうまくまとめている。
読了日:7月2日 著者:碧谷焙煎。
孤独の歌声 (新潮文庫)孤独の歌声 (新潮文庫)感想
若い独身女性を狙った連続拉致殺害事件というとサスペンスとしてはありふれた設定ながら、主要登場人物であるコンビニで働きながら音楽活動をしている潤平、警官の朝山風希、理想の家族を追い求める「彼」のいずれも形は違えど深い孤独を抱えており、その描き方が秀逸だった。また本筋とは外れるが、潤平が「淋しいけど、慰められる」声質であり、それに当てはまる人は歌手の人がとても多いという記述は興味深い。実際にそのような研究結果はあるのかな?でも歌手の中にも妙に心に響く声質の人って確かにいるよなあ。脳噛ネウロのアヤを思い出した。
読了日:7月3日 著者:天童荒太
海底二万里〈上〉 (新潮文庫)海底二万里〈上〉 (新潮文庫)感想
図書館本。子どもの頃に実家にあった全集の子供向け翻訳版で読んだけれど、あらすじはともかく細かいところは忘れていたので楽しんで読めた。まるで本当の海底旅行記のような海生生物の詳細な描写のおかげで少々読み進めるのが大変だったけれど…。気になったのは、19世紀とはいえ謎の巨大鯨類(実はノーチラス号)が目撃されたときに、一度は潜水艦疑惑もあったのに世論はほぼクジラかイッカクという見方になったのが解せない。100メートル級の生物と潜水艦、当時の常識からすれば未知の巨大生物の方が現実的なものだったということかな。
読了日:7月7日 著者:ジュールヴェルヌ
ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -感想
再読。リフレイン読み5/10。久しぶりに読み直した。言われてるように文章に多少のクドさはあるけれど、モノを減らすモチベーションが湧いてくる。
読了日:7月10日 著者:佐々木典士
コンパイラ (コンピューターサイエンス・ライブラリー)コンパイラ (コンピューターサイエンス・ライブラリー)感想
超速読で読了。日本のコンパイラの権威が書いたコンパイラの入門書。といっても一読して理解できる内容ではないのでちょいちょい読み返したい。
読了日:7月12日 著者:中田育男
海底二万里〈下〉 (新潮文庫)海底二万里〈下〉 (新潮文庫)感想
下巻では紅海から地中海へ、海底深くの天然トンネルを通り抜け、大西洋ではアトランティスの遺跡を望み、南極棚氷をくぐって極点を目指す。またマッコウクジラや大ダコと戦闘したりとより冒険的。棚氷に挟まれ船内の空気が足りなくなる危機的状況下での脱出はわかっていてもハラハラし、息苦しくなった。しかし人間への憎しみをより露わにし、とうとう英国軍艦への攻撃を目の前で敢行するネモ船長への不信が決定的となり、アロナクス教授も逃亡を決意する事に…。
読了日:7月13日 著者:ジュールヴェルヌ
集中力を磨くと、人生に何が起こるのか? (「成功する人」が持っている目標実現のスキル52)集中力を磨くと、人生に何が起こるのか? (「成功する人」が持っている目標実現のスキル52)感想
集中力に関する千田さんの新刊。二番煎じな気もするが意外と良いこと書いてあった。勉強でもなんでも、それだけに集中する環境を整えることは大事ですね。
読了日:7月13日 著者:千田琢哉
ヒア・カムズ・ザ・サン (新潮文庫)ヒア・カムズ・ザ・サン (新潮文庫)感想
新潮文庫の100冊2016、86冊目(既読79+7)/109冊。この小説は単行本で読んでいたので文庫は買わなくてもいいかな、と図書館で借りたけれど、改めて読んでもストーリーは面白かった。今回も「作家というのは感情が多い生き物」というフレーズに目が止まる。解説でも書かれているように次々とヒット作を生み出す多作な有川さんだが、やはり彼女自身も「感情が多い」んだろうなと思ってしまう。だって随所随所に読み手の胸を鋭く抉るような台詞をちりばめられるのだから。
読了日:7月14日 著者:有川浩
深町なか画集II ほのぼのログ ~大切なきみと~深町なか画集II ほのぼのログ ~大切なきみと~感想
深町なかさんの画集第2弾。相変わらず眺めていてほっこりするやらリア充爆発しろ!と叫びたくなるやら。しかしどの男性キャラも女性キャラもきれいな身体のラインしてますよねえ…(ため息)。
読了日:7月14日 著者:深町なか
Linuxデバイスドライバ 第3版Linuxデバイスドライバ 第3版感想
超速読で読了。ざっと斜め読みしただけなので詳細理解にはほど遠いけれど、Linuxカーネルがデバイスを扱うためのドライバを書くために最低限必要な情報が書かれている。キャラクタ型ドライバとブロック型ドライバ、ネットワークドライバ、TTYドライバ、PCIバス、USBドライバなど。
読了日:7月14日 著者:JonathanCorbet,AlessandroRubini,GregKroah-Hartman
たそがれ清兵衛 (新潮文庫)たそがれ清兵衛 (新潮文庫)感想
新潮文庫の100冊2016対象作。映画化された表題作、短編の一つだったとは。外見・風体・性格などがパッとせず周りから評価の低い下級武士たちの連作短編集。さえない藩士が意外な剣の強さを見出されて藩の派閥闘争に巻き込まれ暗殺を行う、一種のカタルシスはあるけれども本人たちは暗殺の褒章に手放しで喜んでいるわけでもないところがよい。
読了日:7月17日 著者:藤沢周平
アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)感想
句点のほとんどない文体で読みづらかったが、戦中戦後の、少年や少女の飢えに苦しんだり、盗みを働いたり、家族を死なせてしまったりという人間の黒い部分の心理・行動の描写は圧巻だった。
読了日:7月20日 著者:野坂昭如
スタイルを持ち、身軽に暮らす いさぎよく、住む・着る・生きるスタイルを持ち、身軽に暮らす いさぎよく、住む・着る・生きる感想
読み始めてすぐに「あっこれは失敗したかな」と思った。最近よくあるミニマリストともシンプルライフとも違う感じ。仕事でも成功した60代のおしゃれな女性の住環境やファッションについて語るエッセイ。賃貸物件にかなり手を加えてリフォームするというのが普通の人にはまず難しい。ただ写真たっぷりで紹介されている彼女の部屋はたしかにおしゃれだし、ファッションも66歳とは思えないおしゃれさ。自分は男だけど、こういう歳のとり方はいいなと思った。
読了日:7月21日 著者:石原左知子
読書をお金に換える技術読書をお金に換える技術
読了日:7月21日 著者:千田琢哉
とにかくうちに帰ります (新潮文庫)とにかくうちに帰ります (新潮文庫)感想
会社で働く女性の視点が面白い。職場の作法、モブキャラの男性社員たちのように自分も分析されているのかな…(震え)「バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ」(長い)は、その人が応援する選手・チームは散々な成績になる(と主人公が思っている)同僚と同じマイナーな選手をチェックしてしまう主人公の心理描写がおかしい。表題作は、たまーに、こんな悪天候の中、帰宅する羽目になるよな、というあるあるな状況で、消耗しながらも互いにさりげなく助け合って帰り道を行く4人に寒々とした豪雨の描写ながら心が暖まるようだった。
読了日:7月23日 著者:津村記久子
土の中の子供 (新潮文庫)土の中の子供 (新潮文庫)感想
しばらく前に人から中村さんの評を聞いたのだけど、なるほどひたすら暗い。読んでいて息苦しくなるような文章。自分でも何故かはわからないのに、自ら破壊を求めてしまう心理。この重苦しさの中に、「土の中から生まれ」十数年経ち青年となった主人公は、虐げられた過去からの脱却を図ろうともがいていたのか。
読了日:7月25日 著者:中村文則
きらきらひかる (新潮文庫)きらきらひかる (新潮文庫)感想
あとがきに著者いわく「シンプルな恋愛」と書いてあったけど、解説で突っ込みを入れてくれて笑いました。どう見てもシンプルな恋愛とは言えないでしょ。メランコリックな女性を描かせたら江國香織さんの右に出る作家はいないのではないかな、というくらい、妻の行動が生々しい。落としどころも安直なハッピーエンドというよりも、この夫婦らしいなという感じ。
読了日:7月26日 著者:江國香織
さくら聖・咲く: 佐倉聖の事件簿 (新潮文庫)さくら聖・咲く: 佐倉聖の事件簿 (新潮文庫)
読了日:7月28日 著者:畠中恵
「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー
読了日:7月30日 著者:高橋秀実
「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)
読了日:7月31日 著者:高橋秀実

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