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2017

2017年7月の読書まとめ

新潮文庫の100冊

7月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:4300
ナイス数:471

7月は毎年恒例、新潮文庫の100冊キャンペーンが始まる月。

読書メーターでここ4、5年はその新潮文庫の100冊を読み切ろうというイベントが立てられていて、僕も毎年参加している。

そんなわけで今月はほとんど新潮文庫の100冊対象作品を読んでいた。

100冊といっても多少の変動はあり、多い年は110冊以上のこともあった。今年、2017年は全104冊だ。

新潮文庫の100冊 2017

そんなに数が多いととても一夏には読み切れないが、毎年100冊に入っているような古典的名作や現代の定番作品も多く、前年と比較すると大体7割程度はかぶっているようだ。そして読書メーターのイベントでも、過去に読んだ作品をイチから読み返す必要はないので、毎年参加していると実質読む数は20〜30冊程度になってきたりする。

読書メーターのイベントといっても参加者がどこかに集まったりするわけではなく、一人ひとりがフルマラソンのように長丁場でひたすら対象作品を入手しては読んでいくという、一種の苦行のような面はある。その一方で正直、こういう機会でもなければ手に取らなかったであろう本もけっこう多く、新鮮な読書機会が得られるという点でも役に立っている。

そしてやはり、選ばれるような作品はそれなりに粒ぞろいなので、自分の好みに合わないのは別として、外れの作品というのは少ない。

今年の新規対象作品でいえば、「ある奴隷少女に起こった出来事」、「殺人犯はそこにいる」、「荒神」など、ノンフィクションも小説もとても面白い作品が多かった。

新潮文庫の100冊をすべて読み切ろうなんてことは皆におすすめできることではないけれど、この夏の読書に、ぜひ1冊は手に取って読んでみてほしい。

2017年7月に読んだ本一覧

豆の上で眠る (新潮文庫)豆の上で眠る (新潮文庫)感想
新潮文庫の100冊2017、読了2冊目(80/104)。ほとんどが主人公の結衣子の回想で進み、13年前の姉・万佑子の失踪事件の経緯が明らかになっていく。失踪から2年後に戻ってきた姉は本ものなのか?違和感を抱き続ける結衣子。中盤、万佑子を捜索するためにとった母の行動も狂気じみているが、想像もしていなかった結末にはやられた。救いが見えない終わり方はイヤミスっぽい。こうなる前に真実を明かすべきだったんじゃないかな・・・。
読了日:07月02日 著者:湊 かなえ
笹の舟で海をわたる (新潮文庫)笹の舟で海をわたる (新潮文庫)感想
新潮文庫の100冊2017、読了3冊目(81/104)。読んでいて連続テレビ小説か?と感じた。でもヒロインが左織のような女性では視聴率はとれないだろうなとも。解説の「昭和の人」という人物描写がしっくりした。よくもわるくも、自分では何も決めず笹舟のように流された女性と、自分ですべてを決めてたくましく生きた女性と。余談だが左織の家族の変遷と自分の家族のそれが少しだけ似通っていて、世代は少し下るが左織に相当する自分の母の人生はどうだっただろうと思った。
読了日:07月07日 著者:角田 光代
よるのふくらみ (新潮文庫)よるのふくらみ (新潮文庫)
読了日:07月10日 著者:窪 美澄
20代で知っておくべき「歴史の使い方」を教えよう。20代で知っておくべき「歴史の使い方」を教えよう。
読了日:07月10日 著者:千田 琢哉
荒神 (新潮文庫)荒神 (新潮文庫)感想
新潮文庫の100冊2017、今年5冊目読了(通算83/104)。端的に表現すると、時代小説の皮をかぶったパニック映画であり、怪獣映画であり、SF小説です。途中何度も「○ジ○かよ!」とつっこみました。一つ一つの要素はどこかで見たことがあるけど、こうして一つの壮大な物語に詰め込んで破綻しないのは宮部みゆきさんの力量なのかな。面白かったです。
読了日:07月15日 著者:宮部 みゆき
未来いそっぷ (新潮文庫)未来いそっぷ (新潮文庫)感想
新潮文庫の100冊2017、今年6冊目読了(通算84/104)。毎回、こう来るかーと唸らされる星新一さんのショートショート集。これを書いたのはもう何十年も前なんだよね。コンピュータの描写に時代を感じる以外は、現代でも古さを感じさせない秀逸なブラックユーモア。
読了日:07月18日 著者:星 新一
殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)感想
新潮文庫の100冊2017、今年7冊目読了(通算85/104)。北関東で数年おきに発生していた幼女誘拐殺人事件を筆者が独自に取材を続け、ついにはうち1件について終身刑の判決が下っていた菅家さんの完全無罪を勝ち取るまでに動かす。一方、取材の過程で警察や検察、司法の抱える闇もあぶり出されていて、真犯人はいまだに捕まっていない…と何とも後味が悪い。一言では語れない、圧巻のノンフィクション。
読了日:07月18日 著者:清水 潔
自分を変える 睡眠のルール自分を変える 睡眠のルール感想
睡眠の重要性については著者の他著でも軽く触れられていたが、これは睡眠について丸々一冊語った本。思い返してみると、中・高・大・社会人と進むにつれ平均睡眠時間が短くなっていった気がする。それに比例してパフォーマンスも低下して(以下略 具体的な方法論はあまり書かれていなくて「とにかく早く寝ろ!」みたいな感じだが、難しく考えずにそのくらいの勢いで睡眠改革をした方がよいのかもしれない。遮光カーテンとオーダーメイド枕については検討したい。
読了日:07月21日 著者:千田 琢哉
首折り男のための協奏曲 (新潮文庫)首折り男のための協奏曲 (新潮文庫)感想
新潮文庫の100冊2017、今年8冊目読了(通算86/104)。伊坂さんの小説は久しぶりに読んだが、相変わらずだまし絵のような技巧に富んでいる。7つの短編のうち「僕の舟」はアンソロジーで既読だった。「月曜日から逃げろ」は読んでいて頭が混乱し、また読み返したくなった。「合コンの話」はこういう形式は珍しく、オチも意外性があり面白かった。
読了日:07月25日 著者:伊坂 幸太郎
天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)感想
新潮文庫の100冊2017、今年9冊目読了(通算87/104)。ラノベのレーベルnexということで読まず嫌いしていたけど、なかなかどうして面白い。著者が医師ということもあり、医療面での謎解きも裏付けがあった上で意外性もある。小鳥遊が聞き役になるだけでなく、たまに重要なサポートを見せるのもよかった。
読了日:07月25日 著者:知念 実希人
約束の海 (新潮文庫)約束の海 (新潮文庫)感想
新潮文庫の100冊2017、今年10冊目読了(通算88/104)。山崎豊子さんの遺作にして、彼女の作品を読むのはこれが初めて。海上自衛隊の潜水艦と民間船の衝突事故。あのあれよあれよという間に危険が迫り、何が悪かったのか読み返しても、裁判の場面になってもよくわからない感じ。実際、事故ってそういうものなんだろう。未完のシリーズとのことだが、遺された遺稿の一部やプロットも巻末にかなりの量が載っていて、続きがもう読めないのは惜しい。
読了日:07月28日 著者:山崎 豊子

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