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2021

2021年10月の読書まとめ

10月はまずまず

10月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:3399
ナイス数:928

10月は14冊読んだ。9月よりは少なかったけれど、最近の読書ペースとしては悪くないかな。

52ヘルツのクジラたち

10月に読んだ本で特に面白かったのは「52ヘルツのクジラたち」(町田そのこ、中央公論社)。

2021年の本屋大賞受賞作。

町田そのこさんは今年の新潮文庫の100冊にノミネートされていた「コンビニ兄弟」を読んで面白かったので興味を抱いていた作家さん。

「コンビニ兄弟」がコメディ要素もあった作品だったが、「52ヘルツのクジラたち」はそういう要素はなく、ネグレクトや虐待、LGBTなど現代社会の抱える問題を取り扱った内容だった。

かなり重いテーマなのに不思議と暗くなりすぎていないのは町田さんの文章の個性なのかもしれない。

また一人、追いかけたい作家さんが増えた。

2021年10月に読んだ本一覧

プラチナタウン (祥伝社文庫)プラチナタウン (祥伝社文庫)感想
Kindle版で読了。エリート大手商社マンが社内政治で躓いたのをきっかけに、財政破綻寸前の故郷の町長となって建て直しを図る。過去の放埒な町政で赤字垂れ流しのハコモノや工場誘致に失敗した広大な更地を、退職して余生を快適に過ごしたい人達のための入居施設に活用しようという筋書きは面白い。ただ、途中からはビジネスプランの解説を読んでいるような気分になって、物語の起伏が少なかったせいか、やや中だるみした感もある。さんざん旨い汁を吸ってきた古参議員のカマタケが渡部に文字通りお灸をすえられたのには溜飲が下がった。
読了日:10月02日 著者:楡 周平
ミニマリスト式超買い物術: 無駄遣いをなくす「5つの考える力」を鍛えるミニマリスト式超買い物術: 無駄遣いをなくす「5つの考える力」を鍛える感想
無駄遣いをしないための思考法を色々紹介している。5つの考える力とは、「買い物の目的を考える」「ネット広告の嘘に騙されない考える力を鍛える」「トータルコストを考える訓練」「お金と快楽を切り離して考える訓練」「お金をかけない解決方法を考える訓練」。知っていることもあったが、「アイタタタ…」となった箇所も多い。松竹梅では一番安い「梅」を選ぶや、レビュー・口コミを見ずに選ぶというのはすぐに真似したい。
読了日:10月03日 著者:なにおれ
マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)感想
千田琢哉さんの推薦本から。「君主論」は既読だが、編者の塩野七生氏が前書きに書いているとおり、こちらは君主論を含む、マキアヴェリの著述物からの抜粋、箴言集。君主論を読んだときにはあまりピンと来なかったが、こうしてエッセンスを読んでいると不思議と、善も悪も時と場合に応じて使い分けるべきという彼の考え方がしっくり来る。彼の生きた400年前も、その時点でも古い時代のローマ時代も、人の本質というのは現代とほとんど変わらないのだという気がする。
読了日:10月05日 著者:塩野 七生
倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道感想
オフ会で借りた本。読み切るのにずいぶん時間がかかってしまった。「9.11」同時多発テロを首謀したウサマ・ビンラディンをはじめとするイスラム原理主義者がどのようにしてテロリストとなり、あの事件を起こすに至ったか。サウジアラビア王家や国内の内情はぜんぜん知らなかったので、ウサマが財閥のぼっちゃんだったことや、国籍を剥奪されていたことも恥ずかしながら初耳だった。上巻まででは、ウサマやアルカイダはちょろちょろ戦争に加担したり事件は起こしているものの、他人の手柄を自分のモノと騙っているせこい連中に見える。
読了日:10月09日 著者:ローレンス ライト
「脳」と「本」の持つ可能性を最大化する 武器になる読書術「脳」と「本」の持つ可能性を最大化する 武器になる読書術感想
高速大量回転読書法の著者の新刊。意志力(ウィルパワー)と作業記憶(ワーキングメモリ)が集中力の鍵。速く読むには読み手の「ストック」が必要。がんばらずに読む。読むハードルを下げる。わかろうとしないで読む。飛ばし読み、拾い読みを何度も繰り返す。ジグソーパズルを埋めていくイメージ。ハードカバーを読むハードルを下げるために、カバーだけでなく厚紙の表紙もカッターで切り落とそうという提案には驚いたが、思い切って本書と積読していたハードカバーの専門書で試してみたら思いの外スッキリして読みやすくなった。
読了日:10月12日 著者:宇都出 雅巳
トリカゴトリカゴ感想
読書メーターの献本キャンペーンに当選していただいた著者サイン本。/無戸籍の人がいるという話ははじめてではないが、現代日本でその状態が意味するところを改めて考えるとズンッとくる。自分の身分の証を立てられない。あって当然と普段意識すらしないような社会福祉サービスも受けられない。/蒲田署の森垣巡査部長は偶然自分の担当した殺人未遂事件から無戸籍者が集団で生活する「ユートピア」の存在を知り、葛藤する・・・。ユートピアの行く末と未解決児童誘拐事件とが絡まって進行し、刑事小説としても読み応え十分。以下コメントに。
読了日:10月13日 著者:辻堂 ゆめ
1週間ステップアップ「ゆる体操」1週間ステップアップ「ゆる体操」感想
高岡英夫さんの「ゆる」身体理論は面白いのだけど、文章だと難解なので簡単に試せるのはないかな?と探したら2005年刊行と古いけれどあった。主に女性向けなのだろう、イラストや文章も女性向けに書かれている。1日ずつ1種類の体操を追加していって、1週間で身体がゆるんで体調が良くなるのを実感できますとのこと。今週末からやってみようかな。
読了日:10月13日 著者:高岡 英夫
ミニマリスト式超引っ越し術: 人生を変える攻めの引っ越しの技術ミニマリスト式超引っ越し術: 人生を変える攻めの引っ越しの技術感想
なにおれさんの「ミニマリスト式」シリーズ。引っ越しの目的を考えるところから、部屋探し、引っ越し準備のノウハウなど。自分も社会人になってから4〜5年おきに引っ越しを繰り返してきたが、家賃は上がる傾向にある…。一つところに定住するのもよいけれど、色々な街に住んでみたいという思いもあるので、次に引っ越す機会には参考にしようと思う。
読了日:10月17日 著者:なにおれ
まちの幸福論 コミュニティデザインから考えるまちの幸福論 コミュニティデザインから考える感想
再読。かたちのないものをデザインする「コミュニティデザイナー」という肩書きの著者。消滅の危機に瀕している集落の在り方について述べた第2章は、自分の実家(正確には祖父母が昔住み、今も代々の墓がある家)の集落がほとんど消滅しかかっているだけに身につまされた。/まちを活性化させるアイデアがあっても、住民が主体性を持たないとものにはならないというのはうなずける。
読了日:10月20日 著者:山崎 亮,NHK「東北発☆未来塾」制作班
必要十分生活~少ないモノで気分爽快に生きるコツ (だいわ文庫)必要十分生活~少ないモノで気分爽快に生きるコツ (だいわ文庫)感想
再読。洗濯機はいらない、靴は3足など納得いかない点はあるけれど、これは自分なりの「必要十分」なルールを決めればよいのだろう。風呂場やトイレは毎日排水口まできれいに掃除するなど、見習いたいけどできていないな。ポイントカードはけっこう処分したつもりだけどまだ残っている。どうしようかな。
読了日:10月21日 著者:たっく
大好きなことでお金を稼いで、独立をする方法大好きなことでお金を稼いで、独立をする方法感想
最近よくブログや電子書籍を読んでいる「なにおれ」さんのお薦めから。自分の好きなことをして出る「ゴミ」を売れ、というとギョッとするが、よく読むとなるほどとうなずける。自分には価値がないと思っていても、他人にとっては価値があるものは意外とある。キャッシュ・ポイントという考え方も参考になる。
読了日:10月26日 著者:中村あやえもん
52ヘルツのクジラたち (単行本)52ヘルツのクジラたち (単行本)感想
本屋大賞受賞作ということで気になっていた作品。育児放棄に児童虐待、トランスジェンダー、愛人関係、と一つでも重たいテーマが詰め込まれているのに、不思議と重たくなりすぎずまとまっている。恩のあるアンさんが死んだことや、愛した男が変わってしまったことに責任を感じる貴瑚にはそんな風に思いつめないでいいのにと思ってしまう。家族からは搾取され、大切な人達との失敗を重ねて傷ついてきた彼女だけど、口のきけない少年の声なき叫びを聞いて彼を救い出せたことは本当によかった。
読了日:10月27日 著者:町田 そのこ
「東の大富豪」の教え ユダヤを超える「成功の本質」「東の大富豪」の教え ユダヤを超える「成功の本質」感想
再読。この本を読むきっかけになった千田琢哉さんも最近の新刊でチャンスに気がつく生き方について書いていたな。「意味のある偶然の一致」に気がつき、それを連続して起こせることが成功の法則。そのためには小さな偶然に意識を向けるよう日常から気を付けること。どの方向にも飛び出せる(それこそ海外に飛び出すことも厭わない)よう柔軟な体勢を整えておくこと。挫折を経験しなかった成功者はおらず、逆境には必ず意味が存在する。初読のときよりは虚心坦懐に内容を受け止められた気がする。
読了日:10月28日 著者:ナタリー・ユエン
一汁一菜でよいという提案一汁一菜でよいという提案感想
リフレイン読み3回目。再読する度に、この本の主張と相似するように、「うわっ!面白い!」という良さではなく、「読み飽きない」あるいは「おもしろくなくてもいい」という良さがあると感じるようになってきた。
読了日:10月31日 著者:土井 善晴

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