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2022

2022年5月の読書まとめ

5月はまずまず読めた

5月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3755
ナイス数:397

5月は12冊読みました。

冊数としてもまずまず読めたし、面白い本が多かった。

遠田潤子月間

小説では4月に引き続き、遠田潤子さんの未読本を読んでいた。

冬雷(創元推理文庫)」は大阪で鷹匠として働く主人公が、思春期を過ごした北陸地方の養家での現在と過去の事件に巻き込まれるミステリ仕立てのサスペンス。

名家・千田家に養子としてもらわれ、継父の期待に応えるために町の神社での儀式に欠かせない鷹の世話と勉学に励んでいた主人公代助だが、継父母が予期せず実子を授かってからの掌を返したような仕打ちがひどく、また神社と千田家を取り巻く町の人々の視線も地方の狭い町ゆえのドロドロした旧習を煮詰めたようである。そんな中にあって代助と神社の跡取り娘・真琴との関係性は清冽であり、見事な対比。全編にわたって遠田節が冴えている。

その他、「ドライブインまほろば(双葉文庫)」、「廃墟の白墨(光文社文庫)」もそれぞれ遠田潤子さんらしい家族との確執や大人に虐げられる子供といったテーマが存分に味わえる作品となっている。

健康食本

もう一つの5月のテーマは食と健康に関する本だった。

少し前に刊行されて気になっていた本を数冊続けて読んでみた。

死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事

医師が唱える超食事・大革命 カーニボア・コード

ガチ速"脂"ダイエット 極上レシピ大全

薦めている食事の内容だけ簡単に説明すると、「老けない食事」はヴィーガンに近い野菜中心の食事で、腸内細菌の栄養になるものを摂ろうというコンセプト。「カーニボア・コード」はその真逆で、肉食のススメ。野菜や果物、穀物といった植物がいかに動物に食べられないために進化し、人間にとって有害な物質を含んでいるかを述べ、肉や内臓だけで人体に必須の栄養素は摂れるとしている。最後の「極上レシピ大全」は著者・金森氏の前著「ガチ速"脂"ダイエット」を補完する内容で、断糖高脂質食を実践しつつも食の楽しみを得ることができ、継続しやすいレシピ集となっている。

3冊の全く異なる主張の健康食本を立て続けに読んでみて思ったのは、一般人には何が正しいのかサッパリわからないということだった。

どれも様々な研究論文を引用し、いくつかの点(たとえば穀物や精製糖は健康に悪い、ある種の植物の持つ物質は腸壁に有害であるなど)では共通しているにも関わらず、最終的な結論はまるで正反対になっている。

どちらの主張にももっともらしいと思える点があるが、その真偽を判断するのはとても無理だ。

ではどうしたらよいか?というと、結局いまの自分の自炊中心の食生活でまずまず健康的に過ごせているので、このまま続けるのが無難かなと。

人類が農耕文化を確立する以前の食生活こそが最良!なんていっても、有史以前の人類は肉食であり、植物はあくまで非常食だった、とか、いや狩猟採集民も肉食メインではなく根菜や果実を食べていたんだ、とか、これまた両極端な意見が展開されて水掛け論にしかならないし。

2022年5月に読んだ本一覧

冬雷 (創元推理文庫)冬雷 (創元推理文庫)感想
単行本で読んだが文庫で再読。この作品は創元社から出ていることもあって、他の遠田さんの作品よりもミステリ風味が強めかな?日本海に面する田舎町の名家と神社の因習にまつわる騒動。主人公の代助が養子にもらわれてからの幸せな数年間と、その後養父母に実子が出来てからの酷すぎる仕打ちによる絶望との落差はザ・遠田潤子だ。過去の事件の解決編で代助が急に名探偵ぶりを発揮したり、解決の糸口を引き出した騒ぎのキッカケになった彼や真犯人がやや狂言回し感が強かったが、エンターテインメントとしては楽しめた。
読了日:05月02日 著者:遠田 潤子
もっと言ってはいけない (新潮新書)もっと言ってはいけない (新潮新書)感想
千田琢哉さんのお薦め本から。人種によってIQが違うという事実を様々な研究を引用しながら述べている。人によっては憤慨するのかも知れないが、平等だとか公平を論じるなら著者のいうように遺伝である程度知能は決まるという事実を直視した上で何ができるのかを考える方が建設的だとは思う。
読了日:05月05日 著者:橘 玲
ドライブインまほろば (双葉文庫)ドライブインまほろば (双葉文庫)感想
継父を殺した小学生の少年、殺された継父の双子の兄、険しい峠道で寂れたドライブインを営む中年女性。それぞれに過去・現在の家族の問題を抱えた3人の視点が交互に描かれる。遠田潤子さんの書く毒親の所業は毎度のことだけど、何度読んでもいたたまれない。特に母親に全く関心を持たれず、さらに継父の所業によって小学生にして最悪の選択をせざるを得なかった憂の心中を思うと…。クライマックスの十年池で心を洗われた3人の今後は、不幸の再生産を止めてどうか幸せなものになってほしい。
読了日:05月05日 著者:遠田 潤子
あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと ひとり暮らしの智恵と技術あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと ひとり暮らしの智恵と技術感想
ベストセラー「捨てる!技術」はむかし読んだことがある辰巳渚さん。数年前に急逝したとのは朧気ながら憶えていたが、亡くなる直前まで書いていた遺稿が本書とのこと。「ひとり暮らしの智恵と技術」という副題のとおり、単身生活を始めるにあたって気をつけるべきことが詳細に、語りかけるように書かれている。ひとり暮らしをはじめてから約二十年経つが、本書を読みながら「アイタタタ…」と呻く箇所もちらほら。実家で親が当然のようにやってくれていた家事全般を独力でこなせるようになるって、けっこうすごいことなんだと思うよ。
読了日:05月10日 著者:辰巳 渚
「読む」だけで終わりにしない読書術 1万冊を読んでわかった本当に人生を変える方法「読む」だけで終わりにしない読書術 1万冊を読んでわかった本当に人生を変える方法
読了日:05月10日 著者:本要約チャンネル
ぼくのおいしいは3でつくる 新しい献立の手引きぼくのおいしいは3でつくる 新しい献立の手引き
読了日:05月11日 著者:樋口 直哉
お金の真理 (宝島SUGOI文庫)お金の真理 (宝島SUGOI文庫)
読了日:05月11日 著者:与沢 翼
男のパスタ道 日経プレミアシリーズ男のパスタ道 日経プレミアシリーズ
読了日:05月13日 著者:土屋 敦
廃墟の白墨 (光文社文庫)廃墟の白墨 (光文社文庫)
読了日:05月16日 著者:遠田潤子
死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事
読了日:05月20日 著者:スティーブン・R・ガンドリー
医師が唱える超食事・大革命 カーニボア・コード医師が唱える超食事・大革命 カーニボア・コード
読了日:05月23日 著者:ポール・サラディノ
ガチ速“脂"ダイエット 極上レシピ大全ガチ速“脂"ダイエット 極上レシピ大全
読了日:05月25日 著者:金森 重樹

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