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2015

2015年9月の読書まとめ

新潮文庫継続の9月

8月に引き続き、9月も新潮文庫夏の100冊ばかり。しかし、シルバーウィークに友人と長めの旅行に出かけていたため、あまり冊数は伸びなかった。

2015年9月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:5352ページ
ナイス数:1049ナイス

今月のピックアップ本

下記の読書メーターの感想には書いていないが、日本百名山は個人的には気に入った。 著者が実際に紹介している山100座ほぼ全てに登っているので山への愛着が感じられ、説得力がある。

「落日燃ゆ」も良かった。太平洋戦争後のいわゆる東京裁判で文官として唯一人極刑となった元首相・広田弘毅を主人公にすえた小説。

「奇跡の脳」は米国の女性脳科学者が自身が脳卒中に見舞われ、左脳の機能が刻々と失われていく様子、そして一命を取り留めたものの言語認識や計算能力がほとんど失われてしまった状態からリハビリで回復する過程をつづったノンフィクション。

興味深かったのは、意外にも左脳の機能を失った著者が世界と一体になるような感覚を覚え、幸福感すら感じていたということ。言葉を聞き取ったり文字を読んだりできなくなっても、人は人格まで失くしてしまうわけではないこと。そして医師や看護師がノイズの嵐のように喋りかけるのではなく、患者のペースに合わせてゆっくりと取り組めば不可能だと思われるような状態からでも社会復帰できるほどに回復する可能性はあるということ。後半はややスピリチュアルな方向に行ってしまった感はあるけれど、多くの示唆に富んだ一冊だった。

9月に読んだ本と感想一覧

破獄 (新潮文庫)破獄 (新潮文庫)感想
【新潮文庫の100冊2015】実在の脱獄囚をモデルにした小説。刑務所(≒牢獄)を抜け出す離れ業は小説やマンガでは散々描かれているけれど、実際に一度ならず四度も、警戒に警戒を重ねた監視をかいくぐりやりおおせる佐久間の知力・体力は尋常ではない。しかしそれよりも恐ろしいのは、心理上の駆け引きを巧みに操り看守を手玉に取っていた点かな。そんな驚異的な脱獄囚も最後は刑務所の堅牢さや監視の厳しさとは真逆の手法で懐柔されたというのが、やや出来すぎな気もするが物語としてはきれいにまとまっている。
読了日:9月3日 著者:吉村昭
残るは食欲 (新潮文庫)残るは食欲 (新潮文庫)感想
【新潮文庫の100冊2015】阿川佐和子さんの料理と食に関する軽妙なエッセイ。お仕事だけじゃなく料理の腕前もなかなかのものなんですね。ローストチキンとか洋菓子なんて、作れる気がしないや。独り暮らしだと、珍しい食材を送ってもらっても食べきれずに処置に困るというのはあるあるですね。
読了日:9月4日 著者:阿川佐和子
ジャイロスコープ (新潮文庫)ジャイロスコープ (新潮文庫)
読了日:9月5日 著者:伊坂幸太郎
頭は「本の読み方」で磨かれる: 見えてくるものが変わる70冊 (単行本)頭は「本の読み方」で磨かれる: 見えてくるものが変わる70冊 (単行本)
読了日:9月6日 著者:茂木健一郎
しゃばけ (新潮文庫)しゃばけ (新潮文庫)
読了日:9月8日 著者:畠中恵
沈黙 (新潮文庫)沈黙 (新潮文庫)
読了日:9月9日 著者:遠藤周作
日本百名山 (新潮文庫)日本百名山 (新潮文庫)
読了日:9月13日 著者:深田久弥
大人のための残酷童話 (新潮文庫)大人のための残酷童話 (新潮文庫)
読了日:9月14日 著者:倉橋由美子
ボッコちゃん (新潮文庫)ボッコちゃん (新潮文庫)
読了日:9月16日 著者:星新一
三四郎 (新潮文庫)三四郎 (新潮文庫)感想
【新潮文庫の100冊2015】漱石の作品はいくつか読んだけれど、これは割合読みやすかった。三四郎がお調子者の与次郎に振り回されたり、学問をまじめにやろうとして中途半端になったり、美禰子に恋心を抱いたりと、地方から大都会に出てきた学生らしいストーリーだなと。明治後期の作品であるのに、現代にも通じる感覚。
読了日:9月17日 著者:夏目漱石
直観を磨くもの: 小林秀雄対話集 (新潮文庫)直観を磨くもの: 小林秀雄対話集 (新潮文庫)
読了日:9月19日 著者:小林秀雄
落日燃ゆ (新潮文庫)落日燃ゆ (新潮文庫)
読了日:9月21日 著者:城山三郎
ナイフ (新潮文庫)ナイフ (新潮文庫)
読了日:9月23日 著者:重松清
仮面の告白 (新潮文庫)仮面の告白 (新潮文庫)
読了日:9月28日 著者:三島由紀夫
奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)
読了日:9月30日 著者:ジル・ボルトテイラー

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