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2015

親指シフトを始めた

親指シフトの練習中

ふと思い立って、今月の初め頃から日本語入力をすべて親指シフトで行うべく、練習を始めてみた。

1ヶ月弱が経って、まだまだローマ字入力と比べるとずっと遅いけれど、なんとかゆっくりタッチタイピングで文章が書ける程度には慣れてきて、なんとかなりそうな感触はつかみつつある。

※ 画像引用元 親指シフト始めました。orzキー配列にて | スーパーひとし

なぜ親指シフトを始めたか

そもそも親指シフトって何?という方のために説明すると、"日本語の「かな」を入力するため、1979年(昭和54年)に、富士通が考案したキー配列規格の一種"(Wikipedia参照)とのこと。

勝間和代さんが使っているというのをどこかで目にして、名前だけは知っていた「親指シフト」だけど、ローマ字入力に慣れ切った身としては今さら全く異なる日本語入力方式なんて…。と思っていた。

しかし最近、親指シフトについて書かれたブログをたまたま目にして、これは慣れてしまえばローマ字入力よりも楽なのでは・・・?と思った。

1つのひらがなを入力するのに、ローマ字だと2打鍵かかるのに対して親指シフトだと1打鍵で済む。それだけだとJISのかな入力も同様だけど、親指シフトは日本語の文章で頻出する文字をキーボードの3段目に集中させ、さらに「右シフト」キー・「左シフト」キーと同時押しという操作を組み合わせることで数字キーをまったく使用せずに全てのひらがなを入力することができる。

つまり、打鍵数が少なく、ホームポジションからほとんど手をうごかさずに文章が書けるのが親指シフトということ。

もともとエセタッチタイピングがなんとかできるかできないかくらいで、しかもタイピング速度が遅かった。

職場のタイピングが速い人を見て憧れてはいたもののこれ以上のローマ字入力での速度向上にづまりを感じていたので、今からまったく異なる入力方式をゼロから覚えるのもいっそいいんじゃないかと思ったわけだ。

また、気軽に始められるのはありがたい。特別な専用キーボードもあるらしいけれど、そんなものがなくても普通のJISキーボードと無償のソフトウェアがあれば始められる。

Macだと Karabiner というソフトが定番だし、Windowsなら やまぶきR というソフトがある。

僕の自宅での使用環境はiMacとHappy Hacking Keyboard Professional JP

Orzレイアウト

親指シフトにはいくつかの派生規格・配列があるようだけど、僕が練習しているのはNICOLA規格から派生したOrzレイアウト。

Orz layout

親指シフト専用ではないJIS配列キーボードで親指シフトをしようすると、右シフトに使う右親指がホームポジションに手を置いたときに内側に曲がってしまい、少し窮屈に感じる。

Orzレイアウトはそんな欠点を、右手のキー配置をそっくり1列右にずらすことで解決した。

もともとは ものくろぼっくす の大東さんという方がMac用のソフトKeyRemap4MacBook(現在はKarabinerに名称変更)の設定ファイルを実装し、「Oyayubishift-Right-Zurasu」から"orz"と名づけたんだとか。

下にひらがな部分の配列遷移図を示す。

【単独打鍵】

。かたこさ□らちくつ,、
うしてけせ□はときいん□
.ひすふへ□めそねほ・

【シフトキー同時打鍵】

ぁえりゃれ□よにるまぇ□
をあなゅも□みおのょっ□
ぅーろやぃ□ぬゆむわぉ

【クロスシフトキー同時打鍵】

。がだござ□ぱぢぐづぴ□
ヴじでげぜ□ばどぎぽ□□
□びずぶべ□ぷぞぺぼ□

単独打鍵というのは文字通り、各自のキーを単独で押した場合の配列図。

2番目のシフトキー同時打鍵というのは、キーボードの右半分のキーは「右シフトキー」と同時押し、左半分は「左シフトキー」と同時押ししたときの配置。

この「同時」というのが少しやっかいで、キーボードショートカットでよくやる「Controlキーを押しながら他のキーを押す」という操作とは異なる。2つのキーを本当に同時に押すのだ。イメージとしてはピアノの鍵盤で白鍵と黒鍵を同時に押す感じ?

そして3番目は、右半分のキーなら「左シフトキー」と同時押し、左半分のキーなら「右シフトキー」と同時押し、と2番目とは組み合わせを左右逆にする打ち方。

遅くなったけれど、先ほどから言っている「右シフトキー」「左シフトキー」とは、いわゆるShiftキーのことではない。親指シフト専用キーボードでない場合は「左シフトキー」を「スペース」キー、「右シフトキー」を「変換」キーなどに割り当てて使うことが多い。

退路を断つ

今まで慣れ親しんだ方法を捨ててまったく新しいことを身につけるには苦痛が伴う。

中途半端に手を出してみて、やっぱり使いづらいから辞めた!となるのが一番よくない。

やるからには少なくともローマ字入力以上のタイピング速度と完全なタッチタイピングを身につけるまでやりたいと思い、自分で退路を断つことにした。

まず、iMacをはじめとして数台あるPCをすべて親指シフトで日本語入力するよう設定した。

ちなみに、MacやWindowsだけでなくLinuxでも親指シフトはできる。自分が使っているUbuntuではIMEエンジンにAnthyを使えばローマ字とかな入力の他に親指シフトも選べる。

そして、会社のPCも外付けキーボードとして自宅と同じHHKB Pro JPを持込み、やまぶきRで親指シフトできるようにした。

やはり、日常的に文章を書く時間は自宅よりも会社の方が長い。また会社でローマ字入力を使わざるをえないようだと習熟のスピードは今よりずっと遅かったに違いない。おかげで自分で想像していたよりも早く、まだまだ遅いなりにも文章が書けるようになった。

このブログエントリーも全て親指シフトで文章を打ち込んだ。

おすすめのキーボード

親指シフトをするのにおすすめのキーボード、Happy Hacking Keyboard(HHKB) Professional JPシリーズ。

値段は2万円台前半〜3万円とかなりお高めだが、コンパクトで一切の無駄がないフォルムとサクサク、コトコトといった打鍵感は一度使いはじめるとやみつきになる。


Happy Hacking Keyboard Professional JP Type-S


Happy Hacking Keyboard Professional JP 墨